都市特有の悪環境を徹底対策して生まれた都会の庭
~外的ストレスに負けない用土設計と土壌改良を行った駒場ガーデン~
施工背景
吉谷桂子さんがショップの移転に合わせて、移転先に設計されたガーデンを実現するため、砕石などがあった花壇部分を改修し、その場所にあった用土システムで造成し直しのお話をいただき、現地調査などを踏まえて施工を行った。
建物の立ち並ぶ中、道路に面しながらも奥に入り込むような花壇で、建物による日照不足や排水設備の不足、乾燥など広々としたガーデンとは異なる問題点が考えられた。
施策
◆1)用土システム設計 2)花壇造成 3)施肥内容提案
改修前の現地は、表面に砕石が敷き詰められている状態。その下の土も植栽に向く様子ではなく、排水にも問題が確認できた。砕石を取り除き、排水不良対策に下層に穴を掘り「水質浄化の土」を入れることで対策を行った。また、その上の層には水を保持しやすい土を使用した「保水の土」を入れ、植物の生育域には「植物園の土」または「ストレスゼロの土」を使用し、排水不良問題を乾燥対策へと変えられるよう構造を設計し、施工した。
偏った日差しや一方的なビル風などの環境要因に加え、台風や大雨、蒸れなど近年の都市の気候により、植物が倒れてしまうなどきれいに育たない問題に直面したが、土をしっかり整えたことで、根付き、環境に耐える植物に育ち、デザインされたガーデンを実現させた。(面積合計25.1㎡ 体積合計7.645㎥)
まとめ
- ・建物が立ち並ぶ都会の庭には、日照不足や排水環境の不備など多くの問題点があった。
- ・排水不良を改善するべく「水質浄化の土」や「保水の土」を入れ、土壌改良。
- ・ゲリラ豪雨、日照不足、ビル風などに負けない土壌に改善し、都会のオアシスを実現した。
道路に面する奥まった花壇 道路に面している一方、建物に囲まれるように奥まった花壇。 道路に面する奥まった花壇 道路に面している一方、建物に囲まれるように奥まった花壇。 用土敷設の準備 もともと入っていた砕石を取り除き、下層の土も良い状態ではなかったため取り除いた。 用土敷設の準備 もともと入っていた砕石を取り除き、下層の土も良い状態ではなかったため取り除いた。 用土敷設の準備 使用されていた木材が傷まないよう、防腐剤を塗布。 用土敷設の準備 下層は固く水はけのよくない土だったため、排水不良の影響が根域へ出にくいよう下層に穴を用意。 用土敷設の準備 下層は固く水はけのよくない土だったため、排水不良の影響が根域へ出にくいよう下層に穴を用意。 用土敷設の準備 下層は固く水はけのよくない土だったため、排水不良の影響が根域へ出にくいよう下層に穴を用意。 下層土の排水状況の確認 下層土に水を入れ、排水状況を確認した。水は引きにくく、土はべたつき、あまり良くないことが確認できた。 下層土の排水状況の確認 下層土に水を入れ、排水状況を確認した。水は引きにくく、土はべたつき、あまり良くないことが確認できた。 土木シートの敷設 乾燥防止の土木シートを敷設。 水質浄化の土の敷設 用意した穴に水質浄化の土を詰める。大量の降雨時などは、まずこの穴に水が溜まって過湿を防ぐ。 水質浄化の土の敷設 最下層へ、水が溜まってしまっても問題が出にくいように、水質浄化の土を敷設。 保水の土の敷設 花壇の浅さをカバーするため、保水の土を敷設。 保水の土の敷設 花壇の浅さをカバーするため、保水の土を敷設。 生育層の用意 生育層の土を入れながら、植栽も配置。 生育層の用意 生育層の土を入れながら、植栽も配置。 生育層の用意 植物園の土の色がきれいに保たれるよう、元肥は下層へ仕込む。 生育層の用意 植物園の土の色がきれいに保たれるよう、元肥は下層へ仕込む。 生育層の用意 植物園の土の色がきれいに保たれるよう、元肥は下層へ仕込む。 生育層の用意 生育層の水はけがスムースなため、見た目を重視しウォータースペースも最小限にできる。 活着促進 植え付け後、活着促進にV-RNAを散布。
花壇横の壁面などを汚さないように施工。
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