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COLUMN

【土壌改良成功のために】ガーデナーのための排水基礎知識~排水が必要な理由から、排水環境の確保の仕方まで~

土壌改良成功のために・ガーデナーのための排水基礎知識〜排水が必要な理由から、排水環境の確保の仕方まで〜

土壌改良をする場合、「土をよくしなければ」ということばかり考えてしまいがちです。
もちろん土はとても重要なのですが、同じくらい重要なことが「排水環境の確保」です。
いくら土を改善しても、排水がうまくできていない土壌では、植物は元気に生長し続けることができません。

なぜ排水が必要なのか、水はけがよくない土壌に考えられる要因とは何か、きちんと排水できるようにするにはどうすればよいかといった、土壌改良をする前にぜひ知っておいていただきたい排水の基礎知識をご紹介します。

土壌改良成功のために知っておきたい基礎知識その1「排水が必要な理由」


「水がないと植物は育たないのに、なぜ排水が必要なの?」と思われるかもしれませんが、これには「空気」が深く関わっています。

植物は、土に伸ばした根を通して、空気(酸素)を取り込んで呼吸をしています。養分や水分と同じように、「空気」も植物の生長に欠かせないものなのです。
しかし、水はけの悪い庭や花壇に雨が降ると、土は水がたまったプールのような状態になり、新しい空気が入らなくなります。すると、植物は呼吸ができなくなって酸素不足になったり、根腐れを起こしたりして弱ってしまいます。
また、植物の生長に欠かせない微生物や小動物の活動にも、空気不足は悪影響を及ぼします。

排水がスムーズにできない土壌では、植物は元気に育ち続けることができません。
水はけの悪い庭や花壇に雨が降ると、土は水がたまったプールのような状態になります。新しい空気が入らなくなり、植物の根や、植物の生育に欠かせない微生物や小動物は呼吸ができません。

つまり、たとえよい土や肥料で植物に快適な環境を作っても、排水がスムーズににできない土壌では、植物は元気に育ち続けることができません。

最近は、集中豪雨が各地で多発しています。普段は水はけの問題がない土壌でも、想定を超える量の雨が降った場合、排水しきれない可能性もあります。

こうした異常気象にも対応できるような、「排水環境の確保」を行っておくことが、非常に大切なのです。


土壌改良成功のために知っていきたい基礎知識その2「排水できない理由」



排水環境の確保を行うためには、「なぜ排水ができていないのか」を知る必要があります。もし、管理されている土壌の水はけが悪い、あるいは排水環境を確保したはずなのに水が抜けにくい場合、要因として以下のようなことが考えられます。

●暗渠(あんきょ)が正常に機能していない
たくさんの穴が開いたパイプを土の中に埋設し、その穴から水を排出させる「暗渠排水」は、排水手段として一般的に広く行われている方法です。

しかし残念ながら、専門業者が設置したものであっても、知識不足やずさんな工事などにより、きちんと排水できていない暗渠が多数存在するのも事実です。私たちが土壌改良の際に行っている排水調査でも、以下のような暗渠がよく見受けられます。

・勾配を考えずパイプを埋設しているため、十分な傾斜が取れず水が流れない
・パイプ周りが、粒の細かな土で覆われており、穴が目詰まりを起こしている
・パイプが土管製で排水力がない
・パイプの穴の数が少なく、水が抜けにくい

土壌改良成功のために知っておきたい基礎知識その2「排水できない理由」。暗渠(あんきょ)が正常に機能していない一例
[写真1]傾斜が緩い場所に設置されている [写真2]土管パイプ [写真3]パイプの穴の数が少ない


●耕盤層(こうばんそう)ができている
耕盤層とは、トラクターやブルドーザーといった重機で、土の表面から強い重みや圧力がかかることで地中にできる、硬い土の層です。土がカチカチに締まった耕盤層には水や空気が非常に入りにくいため、土の表面から流れてくる水をせき止めてしまうのです。

土壌改良成功のために知っておきたい基礎知識その2「排水できない理由」耕盤層(こうばんそう)

特に、新しく造成した公園や新築の庭などには、たいていの場合、ダンプカーやクレーン車などが入っています。表面の土はきれいに耕されていても、地中には耕盤層があり、排水不良に陥っているケースが多くあります。


●粘土層がある
土を掘ってみると、下図のように自然にできた粘土層が出てくることがあります。粘土は粒子が細かく水を通しにくい特徴を持つため、厚くなった粘土層では水や空気が全く通らず、排水の大きな妨げになるのです。

土壌改良成功のために知っておきたい基礎知識その2「排水できない理由」粘土層
[写真1]土を掘る専用の機械 [写真2]機械にこびりつく粘土 [写真3]黄色っぽいところから下の白い部分が粘土層

粘土層は各地の土壌に存在しています。層の厚みもさまざまで、場所によっては1〜3mほどの粘土層が見つかることもあります。


土壌改良成功のために知っておきたい基礎知識その3「排水を確保する方法」



排水不良の要因がわかれば、それに対して適切な対処を行うことで、土壌の排水環境を確保することができます。

例えば、機能していない暗渠は、勾配など土壌の環境に合わせて暗渠を設置し直したり、パイプ周りに水はけがよく穴を塞がないような大きさの砂利を入れたりして、正常に排水できるようにします。

地中に耕盤層や粘土層がある場合には、層の下に水が流れていきません。ですから、横に水が流れるように暗渠を設置することもありますし、層の除去や土の入れ替えが必要になることもあります。薄い粘土層などでは、下図のように何カ所か粘土層の下まで穴を開け、水はけのよい素材を入れて層の下へ水を逃す方法も有効です。

土壌改良成功のために知っておきたい基礎知識その3「排水を確保する方法」 地中に穴を開けて排水を確保する一例

また、排水機能が備わっていても、水はけの悪い土ではうまく排水できません。土壌に使用する土も、水はけ、通気性、水持ちに優れた「団粒構造」が築かれていることが重要です。

▼団粒構造については、こちらの記事でも詳しく説明しています。
【土壌改良成功のために】ガーデナーのための土壌基礎知識~植物を育てるのがラクになる夢のような土とは~

【まとめ】
土壌に合った排水環境の確保が正しくされていれば、たとえ集中豪雨にあっても、植物は必要な「空気」を十分に取り入れられ、快適に生長していくことができます。そのため、私たちバイオゴールドのタクトが行う土壌改良では、「土壌分析」とともに「排水環境の調査」を必ず行っています。

植物が末長くイキイキ育ち続けられる豊かな土壌を作ることは、未来の地球の自然や環境を守ることにもつながります。私たちは、そういった視点からも「土壌を改良し、植物が本来の力を取り戻し元気に生長する」ことに、より一層力を注いでいきたいと思います。




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2020-12-16 | Posted in | Comments Closed 

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